情報は常に双方向に流れるとは限らない。ウェブページとは基本的に,双方向ではない。だからこそ,そうだからこそ,攻撃が成立する。その,傾向は変わらないだろう。
アンチウイルスおよびセキュリティー関連ソフトウェアで首位を誇る米シマンテック社のウェブサイトが8月1日,BlOwと名乗るクラッカーによって書き換えられた。シマンテック社は数分のうちにその書き換えを修正したうえで,同社のネットワークがBlOwのワームの被害を受けているという噂を否定した。シマンテック社のアンチウイルスソフト「ノートン・アンチウイルス」は,出荷ベースで,米国のアンチウイルス・ソフトウェア小売市場の64%をシェアを占めている。
クラッカーが是非とも成功させたいクラックの対象としては,一つは法務省や警察などの公共機関,二つ目が新聞社やテレビ局などのマスコミ,そうして三つ目がアンチウイルスやセキュリティー関係のソフトウェアメーカーだろうか。自分の名前を売るのにこれほど好都合なところはない(書き換えられたシマンテックのサイトのコピー)。
ホームページの書き換えなんて,実はたいした作業ではない。日本でも6/12に毎日新聞のサイトが,6/20に朝日新聞のサイトが書き換えられた。まぁFTPのIDとPASSがわかればいいんだから,数打ちゃ当たる(証拠を消すなどの作業を考えなければ,だが…)。Webは,掲示板やチャットなどを除いて,ワイヤードには珍しく双方向には流れないメディアだ。そこに,本能的に僕らは拒否反応を感じるのかもしれない。ホームページ書き換えは,まるでポイ捨てのように,簡単に行われ続ける犯罪と,考えたほうがよさそうだ。
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